「魔術は不要」 06.10.01
使徒言行録 19:8〜20
パウロは、伝道の旅を続けながら、様々な困難と出会いました。
健康上の問題がありました。ユダヤ人から裏切り者と見なされ、
迫害されました。投獄されることもありました。暴力を受け、命の
危険にさらされました。教会の中でも誤解を受け、非難されること
ありました。それでも、彼は、健やかに、平安のうちに歩んでいました。
困難な中でも、「フィリピの手紙」のように、喜びに満ちた手紙を書き
送りました。その健やかさは、どこから生まれていたのでしょうか。
彼は、「神の国の福音」を語りながら、伝道の旅を続けていました。
人々に「神さまはあなたを愛してくださり、あなたを恵みと愛をもって
支配してくださり、あなたに心を配り、あなたを救いへと導き、そのための
道を開き、助けてくださる。そのような幸いの中で生きなさい。自分は
その幸いに入れてもらえないなどと、思わなくてもよい。イエスさまの
十字架と復活を信じることで、あなたも神の国の一員にしていただける。」
そんな神の国の福音を語りながら、自分自身が神さまの愛の御手に
支配していただいている幸い、心強さを、いつも味わっていたに違い
ありません。神の国を語りながら、自分自身がその幸いを繰り返し
味わっていました。だからこそ、降りかかってくる様々な困難を前に
しても、神さまのご支配に目を注げたのでしょう。人の目にみえること
だけでなく、いやそれ以上に、目に見えない神さまの支配を信じ、
確信して、生きていくことができました。伝道しながら、健やかさや
平安を、身に着けていました。
自分を第一とするのではなく、神さまに従い、神さまに仕える生き方を
している時に、神さまの力が現われます。癒し(12節)がおこります。
人々が魔術から解放されて神の言葉に立ち返ります(19-20節)。
様々な奇跡を体験します。
揺るがない健やかさ、平安、そして神の力による奇跡の体験は、
魔術的生き方(自分の欲望を第一とする)には、決して生まれて
こないものです。